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よくあるご質問

放射温度計の測定位置を示す照準にはどのような種類がありますか?【放射温度計について】

【放射温度計の照準】

赤外線は目に見えないため、ワークのどこの部分を測定しているのかがわかりません。
このため放射温度計では一般に、測定位置(標的サイズ)を示すための照準機能を備えています。

照準方式には次のものがあります。

1) 光学照準
写真用カメラのファインダと同じように、目で覗いて中心部にあるレチクルで測定範囲を
示す方式です。ワークが暗い場合は補助照明光が必要になります。また、赤外位置と
可視光位置を合わせるのに機械的調整を行なっているため位置誤差が残ります。

なおレチクル上に結ばれた像は倒立像であるため、接眼レンズを2 枚使用して正立像に
直し、見やすくします。

2) LED 照準
LED 光を放射温度計側から出し、ワーク上に光らせることにより測定範囲を示す方式です。

LED の発光サイズを検出素子のサイズに合わせることにより、標的サイズとLED 光のサイズが
等しくなります。測定距離が長くなると、LED 光が暗くなり見えにくくなります。下図に
ファイバ形LED 照準の構成例を示します。

3) レーザ照準
光源としてLED の変わりにレーザを用いた方式で、照準光が明るく見やすくなります。

その反面、測定範囲(標的サイズ)を示すことが困難になります。測定範囲の中心のみを示したり、
レーザ光を2 本にして2 点で標的サイズを示したりしています。なおファイバ形の場合は
レーザ光がファイバ内部で多重反射されるため、レーザ光の大きさが標的サイズと等しくなります。

4) 照門、照星
前方にある照星を目標に合わせ、照門の溝に見えるように狙う、機械的に測定範囲を示す方
式で拳銃などに使用されています。レンズの光軸外に設ける必要があるため、測定距離が異な
ると位置ずれが生じます。

ビームスプリッタは赤外線と可視光を分離するためのもので、ハーフミラー、プリズム等が
使用されます。

ガラスに金蒸着を付したAu ハーフミラーは、金蒸着の厚さを調整して可視光で反射率と透過率が
等しくなるようにしています。金の反射率は波長が長くなるほど高くなるため、赤外線を良く反射します。
また、干渉フィルタで赤外光を透過させ可視光を反射するものも使われます。

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