【2024年最新】据え置き型 放射温度計
事例と機種選定のポイント!~その1~
放射温度計とは非接触で温度を測定できる生産現場には欠かせない機器です。
しかし、どの機種を選べばいいのか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、私どもが実際にお客様に提案して上手く測定できたおすすめ機種を、具体的な事例とともにご紹介します!
放射温度計の選び方のポイントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください!
※そもそも放射温度計って何なの?原理は?という方は「放射温度計とは」をご覧ください。
放射温度計とは
放射温度計とは、非接触で物体の表面温度を測定することができる温度計です。
物体の表面から放出される赤外線エネルギーの強度を測定し、温度に換算する仕組みになっています。
放射温度計は、接触式の温度計と比べて、高温や移動する物体など、測定が困難な場合にも適しています。
また、耐久性が高く、測定対象物に影響を与えず、応答速度も速いという特長があります。
これらの特長から、放射温度計は研究や実験だけでなく、生産ラインでの自動化やトレーサビリティなどにも活用されています。
放射温度計の用途事例
■問題点
①高周波の磁界は赤外線には影響を与えませんが、
電気回路に影響を与えて放射温度計の誤動作が発生する可能性がある。
②金属の放射率は一般に低く、反射光の影響が大きいため、測定精度が低下する可能性がある。
③一般的に高周波加熱装置は昇温時間が速いため応答速度の速い温度計でないと正しい温度測定ができない。
■おすすめ機種
ファイバ型放射温度計FTKXシリーズ
①ファイバタイプを採用することで電気回路をもつアンプ部分を磁界の影響外に設置することが可能となり、
磁界による誤動作を大幅に低減できます。
②FTKXシリーズでは、測定波長が金属測定に適した波長に設定されているため、
金属でも問題なく測定可能です。
③FTKXシリーズは応答速度が1msecであるため、昇温時間に遅れることなく正しい温度測定が可能です。
(応答速度80μsecタイプもあり)
■ワンポイントアドバイス
高周波加熱の場合、高周波コイルの隙間から温度測定したいというご要望が多いですが、
FTKXシリーズでは標的サイズが最小でφ0.15mmから用意しているため、
コイルの隙間からでも視野欠けせずに正しい温度測定が可能です。
■問題点
①強い電流が一瞬で流れるため、この電流が放射温度計に影響を与え、
測定値が誤った値になることがあります。
②抵抗溶接やヒュージングのような加熱プロセスは、
局所的に熱が発生し測定位置によって温度が異なることがあります。
③一瞬で加熱され急速に冷却されるため応答速度の遅い汎用品では温度のピーク値が測定できません。
■おすすめ機種
ファイバ型放射温度計FTKX-TUN/PUNシリーズ
①ファイバタイプはヘッド部に電気回路を持たないため、強い電流の干渉を受けずに
正しい温度を測定することが可能です。
②FTKX-TUN/PUNシリーズは標的サイズが非常に小さいことも特長で、
最小でφ0.25mmの標的サイズを選択できます。
そのため、最も重要な電極とワークの接触部分の温度を測定することができます。
③FTKX-TUN/PUNシリーズは応答速度が80μsecと超高速サンプリングを実現しているため、
加熱から冷却までのリニアな温度変化を測定することができます。
■ワンポイントアドバイス
応答速度1msec仕様のFTKX-TNE/PNE/ANEでも測定は可能ですが、
ヒュージングの場合は温度が非常に急速に上昇するため、
応答速度80μsec仕様のFTKX-TUN/PUNのほうが圧倒的に分解能が高く、
ピーク温度も正確に測定することができます。
まとめ
生産現場では、多くのノイズが発生することがあります。
そのような状況でもノイズの影響を受けずに安定して温度測定を行うことは非常に重要なテーマです。
高周波加熱装置やヒュージングなどでは、どうしてもノイズが発生してしまいますが、
今回ご紹介したファイバ型放射温度計FTKXシリーズであれば、
耐ノイズ性能が高く、微小スポットや高速応答といった測定テーマに最適な機種です。
このように、温度範囲だけでなく環境やテーマに合わせた機種選定をすることが重要になります。
ジャパンセンサーでは、豊富な実績をもとに状況に応じた最適な機種を選定いたしますので
お困りの際はぜひお問合せください。
この記事の執筆者
計測器業界に20年以上携わり、放射温度計の販売に従事。
主に自動車関連企業の営業担当をし、現在は営業プロセスの確立と標準化に尽力している。
その他、販売促進やホームページなどの原稿作成も手掛けるなど幅広い業務に取り組み中。