第2回 放射率測定器 TSS-5X で 放射率 を測定してみた
第2回目のジャパンセンサークローズアップは、
「 放射率測定器 TSS-5X で 放射率 を測定してみた 」
放射率 が簡単に測定できる 放射率測定器 TSS-5Xを取り上げます。
放射率測定器 TSS-5X で実際にどの様に放射率を測定するのか、またどの様な点に
気を付けたら良いのかを画像や動画を加え、わかりやすく解説しました。
・試料準備
放射率を測定する試料は、φ40mm以上の大きさがあり、測定する面内で十分平坦である
必要があります。
もし、φ20mm~40mmの大きさのものでも、測定面が3本のヘッド脚部先端と同一平面にある
場合は測定が可能です。
・放射率測定器 TSS-5X 測定準備
【1】付属の放射率基準片および、放射率を測定する試料を室温下に約1時間置き、
温度を十分に安定させます。
【2】電源コードを計測指示部の電源コネクタに接続します。
【3】電源スイッチを「ON」にしてください。
【4】ヘッド部の保護キャップを取りはずします。
【5】このままで20~30分間お待ちください。
【6】ヘッドを鏡面基準片(放射率=0.06)にあて、デジタルメータ指示値が0.06になる
ようにオフセット調整ダイヤルを調整します。
【7】ヘッドを黒体基準片(放射率=0.97)にあて、デジタルメータ指示値が0.97になる
ようにゲイン調整ダイヤルを調整します。
【8】【6】と【7】の操作をダイヤル調整が必要なくなくなるまで繰り返します。
・放射測定
放射率測定器 TSS-5X で放射率を測定したい試料にヘッドをあて、
デジタルメータ指示値を読み取ります。
この時表示されるのが測定された放射率です。
表示された放射率を記録して3回~5回繰り返し平均値を出して確認します。
!!注意点!!
ヘッドを持つ時は上部を持つ様にしてください。
側面中央を持ち続けるとヘッド内のヒータ温度に悪影響を与え誤差が生じる恐れがあります。
ヘッド脚部は、3本とも試料にあてて測定してください。
不安定な状態で測定しますと正確な放射率を検出することができません。
計測時間は、金属など単位体積あたりの熱容量が大きな材質の場合で10秒以内、
机上に敷く樹脂のシートなど、熱容量の小さな材質の場合で2秒程度。
長時間の測定では、ヘッドからの熱で試料が温められ誤差が生じますのでご注意ください。
測定する場合は、周囲温度を一定に保つ必要があります。
エアコンの風にも大きく影響されますので十分に注意してください。
ジャパンセンサーの放射率測定器 TSS-5X は、原則的に付属の2種類の放射率基準片と
放射率を測定したい試料の温度が一致する場合に放射率を測定することができます。
次の動画では、低放射率の銅と黒体塗料 JSC-3号を塗布した銅のサンプルを測定して
みました。
黒体塗料 JSC-3号を塗布した銅のサンプルでは、放射率0.94が表示されます。